あの日から一年。
何を書くのもはばかられる気分。
かといって何もなかったように押し黙るのも不自然。

テレビもラジオも新聞も、きっとそのことばかり。

一年が過ぎた今、
僕らの日常は、申し訳ないくらいに
それ以前の日常を取り戻しつつある。

無事平穏に生きている我が身。
被災者の皆さんへの後ろめたさと、
現実味を帯びてきた次の恐怖と悲しみが、
時おり目眩のように、この身と心を揺らす。

とりあえず、
何もなかったように、
何も感じていないように、
強い心で今日という日を生きる。

当たり前に生きていれば、
当たり前のように明日は必ず訪れる。
これからだってずっとそう。

そんな強いイメージで、
残された僕らは生きて行くしかない。